【ダックス】 椎間板ヘルニアと犬種について 【コーギー】


椎間板とは?

背骨と背骨の間にあるクッションの働きをしているものです。
背骨と背骨の間は、少しだけ隙間が開いています。
この隙間が開いていることで、背中を曲げたり傾けたり捻ることができます。

その逆に、この隙間が殆ど開いていなかったり全然開いていないと、四角いブロックを積んでいるように、曲げたり傾けたりできなくなってしまいます。
椎間板は背骨と背骨の間にあって、背中が隙間を確保し続けるために必要な物だったりします。


椎間板ヘルニアとは?

背中に強い負荷がかかると、背骨の間にある椎間板は圧力に耐え切れずに、背骨と背骨の間からピッ飛び出してしまいます。
ヘルニアというのは、元々あった場所から体の一部がはみ出てしまう病気のことですから、椎間板ヘルニア = 椎間板が元々の場所からはみ出てしまう病気と言うことになります。


椎間板ヘルニアで起きる症状

椎間板ヘルニアになると、椎間板が背中から飛び出します。
そして、背中を通る神経を圧迫したりします。
すると、圧迫された部分から激しい痛みが生じます。
これが椎間板ヘルニアの症状です。

この他、背中に走る神経を椎間板が圧迫したり、突出した椎間板によって神経が壊れる麻痺が起こります。
麻痺は、椎間板が神経を圧迫している場所から下の背骨の神経の通っている体の部位で起こります。

例えば、後ろ足の神経が通っている場所で神経が圧迫されていれば後ろ足に麻痺が起こりますし、前足の神経が通っている場所で神経が圧迫されていれば、前足よりも下のところで麻痺が起こります。
(人間の脊椎で考える方が分かり良いかもです)


頭部に近い椎間板ヘルニア
→ 前足(手)が麻痺

足に近い部分の椎間板ヘルニア
→ 後ろ足(足)が麻痺


なので、どの辺りで麻痺が起きているのかを見ることで、大体の椎間板ヘルニアの怒っている場所が推察できるんだそうです。
(担当の獣医師さん曰く)


椎間板ヘルニアの種類について

椎間板ヘルニアには、老化や肥満や背骨への過度な負荷で起こるものと、犬種が原因で起こるものがあります。

元々、犬種的に椎間板ヘルニアになりにくいが老化や肥満などで椎間板ヘルニアなってしまったものと、犬種(体の構造)が原因で椎間板ヘルニアになってしまったものでは、椎間板ヘルニアの状態が異なっていることが多いんだそうで、一般的には、椎間板ヘルニアになりやすい犬が椎間板ヘルニアになってしまった時の方が症状が重くなりやすく、急激に症状が悪化しやすいようです。
椎間板の中身が神経側に飛び出して、背中の神経を圧迫してしまうため)

そんなわけで、犬種や症状によっては椎間板ヘルニアが急速に悪化したり手術が必要になりますので、椎間板ヘルニアになりやすい犬種(ダックスフントやコーギーなど)を飼われている方は、予め、救急病院の場所を調べて置くと無難かと思います。


椎間板ヘルニアになりやすい犬

通常、椎間板ヘルニアになりやすい犬は、肥満の犬、過去に肥満だった犬、飛び降りたりはねたりして背骨に負荷をかけた犬(かけてきた犬)です。

これにプラスして、胴長短足の犬は椎間板ヘルニアになりやすいです。
(コーギー、ダックスフントなど)

椎間板ヘルニアになりやすい犬は、遊んだり激しい運動をしたり抱っこしたりするときに、背骨がグキッとなって椎間板ヘルニアになりやすいですので、普段の生活から注意が必要です。


≪抱っこに注意≫
胴体が水平になるような形で抱っこする
(人間の子供のような形での抱っこはしない)


≪段差に注意≫
高い場所から飛び降りさせない


≪床に注意≫
滑りやすい床で走ったり遊んだりさせない


≪激しい運動に注意≫
激しい運動(遊び)中にグキッといってしまう犬が多いので、気をつける


≪飛んだり跳ねたりに注意≫
背骨へのダメージが大きい


≪二本足で立つことに注意≫
胴長の犬は普通の犬よりも胴が長いので、二本足で立つのも負荷がかかりやすい


椎間板ヘルニアの症状

椎間板ヘルニアにも、症状によってグレードがあります。
グレードはT〜Wです。


グレードT
跛行などの軽い麻痺&背中を痛がる症状です。
(最初の椎間板ヘルニアでのうちの犬の症状は↑)


グレードU
フラついたり足を引きずったり段差をのぼりおりできなくなった症状です。
(椎間板ヘルニアが悪化した時のうちの犬の症状は↑)


グレードV
後ろ足をダランとしたまま前足だけで歩いたり、自力でおしっこできなくなった状態です。


グレードW
完全に下半身が麻痺した状態です。
足の深い部分の感覚もありません。


一般的には、ダックスやコーギーなどの椎間板ヘルニアになりやすい犬種が椎間板ヘルニアになった時には、一気にグレードが悪化してVやWになりやすいですが、うちみたいに老化&肥満で椎間板ヘルニアになったようなのは、Tからスタートして徐々に症状が悪化することが多いようです。


椎間板ヘルニアの治療

うちの犬の場合は、以下のようにして治療しました。


1回目の椎間板ヘルニア

  • 効果が低めの粉薬を飲む
    (後に効果が高めの白い錠剤に変更)
  • 注射を打つ
    (週1回)

→ ほぼ治った


2回めの椎間板ヘルニア

  • ケージレスト
  • 効果が高めの白い錠剤を飲む
  • 注射を打つ(週1回)
  • 神経を再生させやすくするためのビタミン剤

→ かなり改善したが若干麻痺が残った
(足先(爪)を地面に擦る・ペタペタ歩きをする)


うちの犬は犬種的に椎間板ヘルニアになりにくい犬(胴長短足でない)でしたし、グレードも低かったので内科療法での治療になりましたが、犬種的に椎間板ヘルニアになりやすい犬で、しかも手術が必要な症状の犬については、外科手術で治療されることがあるようです。

外科手術後はケージレストは必要ないんだそうです。
でも、担当の獣医師さん曰く、必ず手術で治ると言うわけでもないようです。
(治らないケースもある)


ケージレストと治療効果

2回目の椎間板ヘルニアではケージレストを行ったのですが、ケージレストをしたら、以下の様なことが防げました。ちょっと可哀相な気もしなくはないんですが、椎間板ヘルニアの症状の改善にはとても効果的でした。
(ケージレストとは、犬小屋や狭いサークル内に犬を閉じ込めることを言います)


関連ページ

【訓練】 椎間板ヘルニアのリハビリについて 【歩行】


ケージレストで防げたこと

→ 回復しかけた背骨や神経にダメージが加わるのを防ぐ
(小屋に閉じ込めるので、暴れることができなくなります)


→ 背骨や神経にさらにダメージを与えるのを防ぐ
(犬の背骨や神経は、軽度なダメージであれば回復しやすいので、こうしておとなしくさせてダメージを与えずに投薬治療するだけでも、かなり回復しやすくなります)


うちの犬は、これプラス歩行訓練のリハビリで、立ったり歩いたりもふらつくような状態から、低い段差なら飛び越える(飛び降りる)、立ったり歩いたりが軽くできるまで回復しました。
(麻痺はまだ残ってますが。。。(^.^ ;)


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